株式会社MTI.Network 【事例】3DレーザスキャナとX線CT装置のスキャン精度の比較
- 最終更新日:2020-05-12 15:09:13.0
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リバースエンジニアリングを行う際にはサンプルの形状の点群データを取得する必要がありますが、そのデータ取得のメジャーな方法として3DレーザスキャナとX線CT装置があります。それぞれ長所と短所がありますが、どちらのスキャンの方法が精度が良い(=形状の再現性が高い)のでしょうか?
今回は三次元測定機で測定した寸法をベースとして、3DレーザスキャナとX線CT装置のスキャンデータがどれぐらいの誤差や歪みを持っているのかを検証します。
作業手順は下記の通りです。
【手順1】
3Dレーザスキャナを用いてサンプルの形状の点群データを取得。
【手順2】
X線CT装置を用いてサンプルの形状の点群データを取得。
【手順3】
三次元測定機による寸法測定を実施。
【手順4】
手順1と手順2の点群データから寸法データを拾い出し、手順3の寸法データとの比較を実施。
基本情報【事例】3DレーザスキャナとX線CT装置のスキャン精度の比較
三次元測定機・3Dレーザスキャナ・X線CT装置のそれぞれのデータから算出した寸法結果を比較したところ、三次元測定機の測定値により近いのは3Dレーザスキャナのスキャンデータから算出した測定値であることが分かりました。角度のズレが少し大きくなりましたが、長さはおおむね±0.01mm以内の誤差におさまりました。
X線CT装置は3Dレーザスキャナよりも全体的に悪い結果となりましたが、大きな歪みも無く、リバースエンジニアリングのデータとして申し分ないレベルにあるかと思います。
今回の検証で良い結果が出た3Dレーザスキャナも、光沢のあるサンプルや内部の形状、奥まった箇所、ピン角になった箇所等を苦手としています。一方、X線CT装置は外部だけでなく内部の形状データも同時に取得することができますが、樹脂+金属のような複合材料サンプルではノイズの影響で形状データを正確に取得できないこともあります。
このように、形状データを取得する方法に万能なものはありませんので、リバースエンジニアリングの対象となるサンプルの材質や形状、要求精度、データの利用方法等によって適宜選択する必要があります。
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用途/実績例 | 使用設備・ソフトウェアは下記の通りです。 ■3Dレーザスキャナ(ニコン製:MMDx50) ■X線CT装置(ニコン製:XT H 225 ST) ■CNC三次元測定機 (ミツトヨ製:CRYSTA Apex S9168) ■リバースエンジニアリング用3Dモデリングソフト(3D Systems社製:Geomagic Design X) ■3DCADソフト(Dassault Systèmes社製:SOLIDWORKS) |
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