硬質クロムめっきは耐摩耗性に優れているだけでなく、鉄の表面を錆から守る目的でも施工する場合がありますが、耐食性は完璧なものではありません。
これは硬質クロムめっき表面にマイクロクラックという目視では見えない微細なひび割れがあるためです。このマイクロクラックの中には表面から母材にまで貫通したものも存在します。そのため、湿気が多く結露しやすい環境や腐食性の強いガスが出る環境にさらされていると硬質クロムめっきは腐食しませんが、クラックを通じて腐食因子が母材に到達し、母材自体に腐食がはじまると最終的にめっきが母材から剥離するような現象がおきます。
このような理由から使用環境により防錆目的でのクロムめっきを諦めてしまうケースがあるのですが、実は耐食性を上げる方法があります。
それは硬質クロムの層を多層化する方法です。クロムめっき仕上げ後に再度めっきを行うことで母材まで貫通したマイクロクラックの数を減らすことができるため、耐食性が向上します。
耐食性を上げる方法としてニッケルめっきもありますが、オゾンのようなニッケルを腐食させる環境では向いていないため、対策としてクロムめっきを多層化させる技術が採用されています。
基本情報【耐食性の向上に】ダブルめっき
◆◇◆特徴◆◇◆
◆硬度
一般的にはHv750以上とされていますがオテックでは液組成の調整により、Hv900以上の高硬度のめっきを提供しております。
通常の電気めっきの中では、最も高硬度で、熱処理鋼や窒化鋼などよりはるかに硬度が高い。
◆耐摩耗性
皮膜が高硬度なため耐摩耗性も高い、皮膜の硬さが高くなるほど摩耗量は少なくなります。
◆耐熱性
400℃以上に加熱することにより、急激に硬度が低下するため、
オテックではめっき後の水素除去の為のベーキングは専用の炉を使用し、
厳密な温度管理の下に行っています。
◆耐食性
皮膜表面が酸化被膜で覆われているため腐食に強く耐食性に優れています。
塩化物以外の化学薬品に対して安定します。
◆保油性
めっき表面の微細なクラックの影響により保油性に優れています。
保油性をさらに高めたい場合にはクラックを広げたポーラスクロムめっきにも対応可能です。
◆肉盛性
通常めっき厚は0.02~0.05mmですが、寸法復元等の修理を目的とした場合には、厚めっき(膜厚0.5mm程度)も可能です。
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用途/実績例 | オゾン対策めっき、梨地めっきの耐食性向上 |
カタログ【耐食性の向上に】ダブルめっき
取扱企業【耐食性の向上に】ダブルめっき
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・金属ロール、弾性ロール製作加工 ・硬質クロムめっき加工 サージェント浴をベースに、硬度の高い(HV900以上)クロムめっきをご提供しております。 ・表面仕上げ めっき表面は、超鏡面仕上げから無光沢梨地仕上げまで幅広い光沢度と粗さに調整可能。 ●超研磨仕上げ 0.05S以下(バーチカル研磨機) ●ミラーポケット仕上げ/セミマット仕上げ ●梨地仕上げ ●バフ仕上げ(円筒バフ研磨機/フレキシブルバフ研磨機) ・自己潤滑性クロムめっき「テフ・ロック」加工 硬質クロムめっきとテフロン等の商標で知られる4フッ化樹脂の 複合めっき。クロムめっきの高硬度と4フッ化樹脂の自己潤滑性 を併せ持つ優れた表面処理。離型性と耐磨耗性の両立が可能。 <用途> ヒートシーラー、ガイド部品、ロール、スクリュー等 ・高硬度クロムめっき「クロアモール」加工 クロムとカーボンの合金めっきであり、世界初のアモルファス構 造を持つクロムめっき。硬質クロムめっきの約倍の硬度(約Hv1,800)を有する。 <用途> 封止金型、精密ダイス、エンジン部品、パイロットピン、スクリュー等
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