株式会社コンポジットプラン FRP構造の真空含浸成形技術紹介、指導
- 最終更新日:2021-06-25 13:56:47.0
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真空含浸成形技術は、手積み成形されていたFRP製ヨットやボートの成形法を劇的に改善させるため、欧米で開発実用化された技術です。技術開発過程で種々の試みがなされ、それぞれ命名されましたが、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)技術はその中でも代表的なものです。
成形法の特徴は、ドライな強化繊維布を型に積層した後、透明フィルムで覆って周囲をシールし準備します。その後、積層部分を真空状態にして端から液状樹脂を供給して強化布に含浸させ、硬化させるものです。従来の手積み成形に比べて、FRPの品質形成に重要な樹脂含浸過程を短時間に抑え、原理上すべての空隙部分を樹脂含浸でき、含浸過程を可視化できますので、高い品質を確保できます。
基本情報FRP構造の真空含浸成形技術紹介、指導
成形法の原理は単純ですが、適用材料、使用機器、成形資材などの選定や成形システムの構築、含浸実施の際は多くの注意点があります。当社は大型FRP船の成形法開発に長年従事し、米国のFRP製小型航空機のVaRTM成形開発参加のために1年近く現地滞在した経験があります。多くの失敗と、成形状況観察、供給樹脂量の時間変化測定、基本モデルのシミュレーションプログラム開発などから、同じ失敗を繰り返さないようお手伝いしたいと考えています。
本成形に関する解説記事を2018年10月に日本材料学会から発刊された「材料」誌に複合材料成形技術の最前線の紹介で、「大型FRP構造物に対する真空含浸成形法適用の発展と確立]として発表しております。関連リンクにて参照できます。但し、本文献の版権は日本材料学会にありますのでご注意ください。
価格情報 |
現場立会指導料 4万円~ 成形データ取得、解析実施追加料 +5万円~ 但し、消費税、交通費等が別途必要となります。 |
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価格帯 | 1万円 ~ 10万円 |
納期 |
2・3日 ※立会、データ取得解析などで異なります。 |
用途/実績例 | 舟艇、風車羽根、パネル製品等 |
詳細情報FRP構造の真空含浸成形技術紹介、指導
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写真は傾斜したFRP平板のVaRTM成形時の樹脂供給量時間変化を厳密に計測し、積層材の含浸係数、含浸速度を評価しているところです。
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本図は四角形単板の成形基材と樹脂,および成形資材の組合せに対して,真空圧力や樹脂粘度、使用資材などのVaRTM成形条件や繊維含有率など成形物の特性を設定した時の浸透速度,浸透時間などをDarcy則により予測する計算モデルです。パラメータとして、樹脂容器から成形部までの高さ、ホース長さと内径も重要な数値です。 また、樹脂容器は精密な重量計測機に載せて、秒単位の重量変化を計測記録する様子も示しています。
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この表は計算パラメータの記号と定義を数値と共に記したもので.例として,L=1020mm,B=1270mmのCF積層基材にビニルエステル樹脂を用いた際の浸透係数を検討したものです。 成形後計測した厚さはT=2.74mm,繊維体積含有率は55%であり,樹脂拡散メディアを考慮した含浸空隙率は67%となりました。
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このグラフは計測記録を計算予測結果と比較し,樹脂消費量(g:左軸),樹脂消費速度(g/s:右軸)としてグラフに示したものです。浸透係数を0.00115mm2として計算すると,計測結果と良く一致します。 このように,樹脂重量計測結果に合わせるよう計算浸透係数を調整することから,浸透係数を詳細に定めることがでます。
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